「SoR, SoE」とクネビンフレームワークの話
年末になって改めて、読み溜めてた記事やスライドをみている中で懐かしくも System of Record と System of Engagement というスライドを見返していた。 以前 「CIの改善をスクラムでユーザーストーリーとして扱うか?」を考察する という日記を書いたが、この SoE と SoR の話はまさにクネビンフレームワークにおける Complex と Complicated の話に通じるものがあるなと発見があった。
クネビンフレームワーク
改めて、クネビンフレームワークとは、1999年に IBM の Dave Snowden が提唱した Cynefin Framework 12
は、不確実さや複雑さを理解するためのフレームワークのこと。
Cynefin Framework では問題や扱う現実世界を5つのドメインに分類できるとしてる。
特に、Complicated
は実行に専門性が必要なものの答えを自分たちで定義できる (実験などが必要ない) ような問題を扱う領域のことを指し、
Complex
はリーンやアジャイルに代表されるような手法を利用してイテレーティブな実験を通してユーザーに答えを出してもらうような問題領域のことを指す。
SoR, SoE
SoR
は、業務システムのような部分のソフトウェア領域で誤解を恐れないのであれば、要件がある程度トップダウンで決めることのできる領域のことである。
例えば、予約管理や請求管理などのいわゆる業務システム領域が該当する。
一方で SoE
はユーザーに近いところで UX などユーザーに利用してもらう上での信頼獲得など使ってもらうことが重要な領域のことを指す。
例えば、細かいユーザーインターフェースやユーザーに対するコミュニケーションがそれに該当する。
これらはどちらも必要であり、どちらも別の専門性を要する領域であることはすぐにわかる。
クネビンフレームワークとの関係性
以下のように SoR
は Complicated
と SoE
は Complex
と主張が似ていると感じた。
SoR と Complicated | SoE と Complex | |
---|---|---|
主な開発プロセスのスタイル | ウォーターフォールなどのシーケンシャルなスタイル | リーンやアジャイルなどのイテレーティブなスタイル |
要求の答えの主導権 | 自分たちで決定可能 | ユーザーのフィードバックが主 |
というわけで、また新しく言語を獲得した年末であった。