「短期の成功」をもうちょっと深ぼる
以前 変化を促すこと では SCRUMMASTER THE BOOK にもある以下のステップのうち主に 1 の 「危機意識を持つ」 に触れた。
- 危機意識を持つ
- チームをガイドする
- 変化のビジョン
- 理解と了承
- 人々の行動を促す
- 短期の成功
- 気をゆるめない
- 新しい文化を創る
たまたま社内で同僚と話している際に 6 の 「短期の成功」 について思うことがあったのでそれをメモ。
SCRUMMASTER THE BOOK における本来の趣旨までは完全に捉えきれていないものの、例えばスクラムなどにおいてあるプラクティスを浸透させていくのに、
まずは「短期の成功」をしていこう、それを積み重ねてチームを乗り気にさせてバンバン改善を継続していこう
というシチュエーションがなんとなくイメージしている状況だと思う。
このようになんとなくイメージはできるし、「それはそうだよなー」と思いつつも、現実にはこのプロセスを実行していくのは難しいことであると感じるケースが多い。
うまく行っていないケースとして例えば、以下のような事象を観測することがある。
- 他のメンバーから初回の短期の成功の同意が得られない (ので最初の1歩すら踏み出せない)
- 1回目の短期の成功はできたものの、次の成功に向けてなかなかアクションが取れず、小さい改善で終わってしまう
こういうことが起きないためにはどうすれば良いかというのを考えた時に「変化を促したい人」と「変化を受容する人」でのあるべき姿、構造がこのような形になっている必要があるんじゃないかと思い、
以下のようなズレがあると挙げたような問題が発生するのではないかと考えるに至った
- 「変化を受容する人」に合わせて (短期的な価値を享受できるように) 最初の「短期の成功」を設計しないと合意を得ることが難しい
- 「変化を促す人」が先まで描ききれていないと次の「短期の成功」が見つからない
「なに当たり前のことを言っているんだ」となる人は良いが案外この 「ちょっと先まで描いた上で、メリットが十分理解できる短期的な成功にアプローチする」 ということを意図してできている人は少ないんじゃないかと感じていて、この構造を作ることを意識的にやるようフィードバックをしてみた。
一方でもちろん改善の内容によっては、 エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」 にもあるように偶発的な成功を積み重ねていった方が良い場合もあるとは思っていて、今回はあくまでも「変化を促す人」が明確にこういう状態にしたいと考えるような場合について考察をしてみた。